2014年03月31日

花見

年度末の雑事も一段落した三月晦日、家人と花見に出掛けた。
例年に倣えば西海橋周辺か、或いは大村公園辺りに繰出す処だが、今年は少し違う場所に行ってみたいという話になった。といって南に行けば行く程、恐らくは散ってしまっている可能性が高くなるだろう。北松へ行きたいという家人の一言で、県北を訪ねることに決まった。
ところで県北部の桜といえば一体何処が見どころなのだろうか。所謂名所に拘らなくても、今は大抵何処に行ってもソメイヨシノなら植わっている。以前一度、丁度桜の季節に平戸を訪ねたことがあり、その時は行きがけに寄った平戸大橋たもとの公園にも結構な本数のソメイヨシノがあって、程よく見頃を迎えていた。そういうのも良いが、何か特別な印象を残してくれる場所がないものか。一つ思い当たる処があるにはあるが、出来ればそこまでの道のりに立寄る甲斐のある見どころがあれば尚良い。
前日の晩に調べていると家人が「皿山公園はどうか」と持ちかけてきた。平戸へ向かう国道204号の道沿いにあり、場所もわかり易くて良さそうだ。まずはそこを目指し、その後時間にゆとりがあれば更にその先をと目論んだ。

皿山公園は佐世保市街から北へ15km程上った、北松浦郡の佐々町にある。昨今は長崎県内でも各地で市町村合併が進み、県北部も殆どの町が佐世保市や平戸市、或いは松浦市に併合されて姿を消した。所謂郡部に属する自治体が随分少なくなったが、佐々町はそんな中で何処とも組せずに踏張り続けている自治体の一つである。
幾度か前を通ったことがあり知っている場所でありながら、慣れないタブレット端末にナビゲーター機能が備わっていることを知り試しに使ってみた処目的地の設定に間違いがあって、却って遠回りしてしまう様のない一幕もあったが、どうにかまだ陽の高いうちに辿り着いた。
花見〜20140331壱
国道に面した駐車場にも何本かの桜が植えてあり、咲き誇る花が期待を誘う。尤も園内に入るとさほど桜の樹が多い訳ではない。若干の寂しさを感じたが、一つにはソメイヨシノの多くが既に散り始めており痩せて見えたこともあるだろう。但し敷地の奥にはファミリーランドなどもあり思った以上に広いスペースで、そちらまで行けば結構な本数の桜がある。
しかしこの公園が殊に名所と呼ばれるのは、別の理由がある様だ。本来九州では見られないヤエベニシダレ(八重紅枝垂桜)という品種がこの公園には幾本か植えられており、密かに人気を呼んでいるらしい。こちらの桜はまだ八分程の咲き具合、細くしなる枝にやや小振りで濃いめの桃色の花びらがしおらしく点る様子は幾分頼りなく見えるが、普通の八重桜などよりも一層優雅な見映えである。
花見〜20140331弐
ソメイヨシノの白と八重紅枝垂桜の紅が対をなして、皿山公園の春は独特な華やかさに彩られる。

陽が幾らか西に傾いたものの、まだあと2、3時間は明るさの続きそうな昼下がり。皿山公園から国道204号線を更に北上した。吉井を過ぎて一旦国道から外れ、福井洞窟付近を走る県道を通って再び国道と合流。松浦市街に入り、そこからは東方へ向かった。
その経路の途中にあるという北松県立公園にも桜があるらしく興味はあったが、結局寄らなかった。場所が特定しきれなかったのと、調べてもどれ程の桜を有しているのかわからなかった為である。
松浦市街から徐々に南下しつつ東方へ。隣県の伊万里に入ったばかりの処にある松浦鉄道の浦ノ崎駅前で車を停めた。
浦ノ崎駅は別名(愛称)を「桜の駅」とも呼ばれ、桜好きな人々また鉄道ファンの方々からも人気のある名所の一つである。単線の線路と駅ホームの周囲をソメイヨシノがアーチの様に覆い、本数だけならもっと多い場所も多々あろうがその構図の良さで異彩を放つ。ここ、というアングルは限られる為決して広くはない場所に人が集中するのが難ではあるが、写真写りの良さでは全国でもトップクラスの名所に違いない。
何年か前、当時はまだこの駅のことを知らず偶々桜の時期にその脇を通ったことがあった。平戸〜松浦側から伊万里方面へ向かう車窓に、満開のソメイヨシノに埋もれる様な駅の佇まいがいきなり飛び込んできて思わず見とれた。帰宅後調べて、初めてその人気の程を知った。以来ずっと気になっていたスポットであったが、数年越しで漸く再び桜の季節に訪ねることが出来た。
到着した時、丁度一両の列車が停車中で、すぐに出て行ってしまった。時刻表を見ると次の列車が来るのに30分余りある。それまでの間ホーム上や付近の線路脇のあちこちで写真を撮り、なるべく良さそうな立ち位置を探った。
平日ではあるが、それなりの人が来ている。見るからに鉄道ファンの青年や家族連れ、また年配の夫婦など。長年ここで桜を見続けているらしい親切な老人が、程良いアングルと列車の時刻について教えてくれた。
この日最も気に入った立ち位置から何枚かの写真を撮り、列車の入線を待ってもう一度シャッターを切った。列車を入れた画が理想と思い狙ってみたが、残念な結果に終った気がする。今年はもう花の時期に再訪出来そうにないが、来年或いは翌々年、機会があれば是非また訪ねてみたい。

花見〜20140331参


posted by 紫乃薇春 at 23:08 | Comment(0) | 桜プロジェクト
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