2013年04月14日

Missing at HARMONIE CINQ

井上陽水@小倉〜20130414

小倉はモノレールの走る町である。昨夜鳥栖からJRで移動し先に来ていた家人と合流して、晩の食事のうどん屋へ行く為モノレールに乗った。嘗て暮らした鎌倉の外れ大船駅にもモノレールがあり、あちらは懸垂式、こちらは跨座式と形式が違い周囲の景色も異なるが、何処か懐かしい気分に浸った。小倉から隣の平和通までたったひと駅、500mあるかないか。おまけにホームで10分近くも待たされて、歩いた方が確実に早いが敢えて乗るのが楽しい。マニアを名乗るのはおこがましいが、軽度の鉄道愛好家である。
昨日の好天は今朝まで保ったが、昼過ぎから俄かに曇り土砂降りになった。一時は宿泊先のすぐ近くに落雷があるなど酷く崩れたが、幸い長くは続かず夜にはすっかり上がった。

井上陽水@小倉〜20130414

『井上陽水 LIVE 2013 Missing』

2013年4月14日(日)
アルモニーサンク 北九州ソレイユホール

開場 17:30
開演 18:00

小島良喜(Piano,Keyboard)
佐藤準(Keyboard)
長田進(Guitar)
高水健司(Bass)
山木秀夫(Drums)

井上陽水(Vo,G,Harmonica)


何やら舌を噛みそうな名前のホールだが、嘗ての九州厚生年金会館だそうである。厚生年金と云えば関東在住の頃、殊に10代後半から20代くらいに幾度か新宿の東京厚生年金会館で井上陽水の公演がありお世話になったが、3年程前に閉館したとのこと。音響等は必ずしも良好と云えなかったが、馴染み深い場所が姿を消してゆくのは寂しい限りである。
昨日の今日なので、1曲2曲入替えがあればその点だけ…と思っていたが、まさかの7曲入替え。また、昨日はアンコールで演奏された「氷の世界」が本編に移るなど、曲順変更も一部にあった。

出だしから今宵は違う空気が漂った。ツアー初日の4月3日・横須賀からずっと「闇夜の国から」で始まっていたので今夜もそうだろう、と高を括っていたらよもやの「傘がない」。不意の強雨に応えたのか、昔は殆ど見せなかったこういう臨機応変さが今の陽水の魅力のひとつである。雨と云えばもう1曲、今日の天気にぴったりの「夕立」を期待したが残念ながらそれはなかった。
いつもならライブの終盤に置かれる大曲をいきなり冒頭に持ってきてこの後はどうなるのだろうとソワソワしたが、そこは代表作があり過ぎて選べないと巷のファンを悩ます日本のポピュラー音楽の申し子である。有余る聴き処には事欠かない。2曲目の「東へ西へ」、3曲目の「心もよう」と初期のアルバムからの曲をファーストから順を追うことで、歴史に触れる想いを抱いた。

殊に前半の入替えが目立ち、6曲目の「鍵の数」及び7曲目の「5月の別れ」共に今期のツアーにおいて初出である。「鍵の数」では抑えた声の揺れがやや気になったが、「5月の別れ」はしっかりしっとり情感と量感たっぷりに歌い上げた。総じて前日の鳥栖より声の調子は良いと感じた。
弾き語りの「いつのまにか少女は」は昨日と同じ。だが、初日から歌い続けた10ccの「I'm not in love」を外し、今宵は「Hello good-bye」。前年のツアーで取上げ、ツアータイトルにもした有名なビートルズの曲である。昨年鹿児島で聴き、もう一度生で聴きたいと想う願いが叶い、思いがけず狂喜した。
新曲の「キャッホー」を二夜連続で聴けたのは嬉しいが、一方でツアー開幕から余所の地で披露してきたという「青いフラミンゴ」をいずれも聴けなかったのが残念。残念と云えば今夜は「バレリーナ」もリストになかったのが個人的にはとても残念だった。今期初出の「ジェラシー」は勿論名曲だが、好みで云えば「バレリーナ」が上。…ま、あくまで私の個人的思い入れに過ぎないので、一般には「ジェラシー」の方が遥かに人気も知名度もあるのだろう。
「新しいラプソディー」は昨夜も好調だったが、今夜は更に声が伸びていた。終盤のコーラスを上り詰め、一瞬『クラムチャウダー』バージョンの再現なるかと思わせながら結局途中で止め、後半の下降する処は脳内でのみ鳴り響いていた。
不吉な「限りない欲望」を昨日だけでしまい込み、今日は「氷の世界」がアンコールから本編に返り咲いた。「ビルの最上階」も「氷の世界」も快調な様子だったが、本編の最後「積み荷のない船」では思わず上擦る声に不安を覗かせた。急に具合が悪くなったのか?―心配しながら見守ると、サングラスの向こう側で泣いている様な表情を浮かべている。不意にスイッチの入る人だから、計り知れぬ想いに感極まっていたのかも知れない。

アンコールは今夜も3曲。暗転の前で見せた不穏な気配は微塵も残さず、絶好調とはこのことかと云わんばかりに嬉々として「渚にまつわるエトセトラ」を唄う。今夜の打上げは蟹料理だろうか。「アジアの純真」も久々聴きたかったが、またいずれの機会に期待したい。
「夢の中へ」そして「少年時代」と代表曲を歌いきり、メンバーを前方に呼び寄せ感謝の言葉を届けて退場、終演。

小倉の会場には前夜の鳥栖とはうって変って熱いファンが集い、「少年時代」の後メンバーが退く前から更なるアンコールを求める喝采を送っていたが、それには応えなかった。体調が(見た目より)悪かったのかも知れないし、自身としては遣り切った想いが強かったのかも知れない。会場の都合も見過ごせず、あと1曲を欲する想いは本音としてあるが次に預けよう。
この日のMCは小倉と自身の関わりについて、その昔小倉に一人住いをしていた時の逸話などを語ってくれたが、殊に高校時代小倉に自動二輪免許を取りに通った話、そして取得した免許証のその後の顛末は以前何処かで聞いたか読んだかして知っているものの、本人の口から改めて聞くとつい哀しくも笑える話なのであった。


今夜のセットリストを以下に。殊に今回は前日と見比べてみる甲斐があると思う:

01 傘がない
02 東へ西へ
03 心もよう
04 ダンスはうまく踊れない
05 飾りじゃないのよ 涙は
06 鍵の数
07 5月の別れ
08 いつのまにか少女は
09 Hello good-bye
10 キャッホー
11 リバーサイド ホテル
12 灰色の指先
13 ジェラシー
14 新しいラプソディー
15 ビルの最上階
16 氷の世界
17 積み荷のない船

アンコール
18 渚にまつわるエトセトラ
19 夢の中へ
20 少年時代

井上陽水@小倉〜20130414


posted by 紫乃薇春 at 22:36 | Comment(0) | 音楽<井上陽水>
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