2012年03月20日

春分

つい三日ばかり前に昨年より二十日程も遅い春一番が吹いたと云われ、しかしその日実際はさほど強い風を感じた訳でもなく、むしろとうに吹いていると思ったもので、釈然とせぬまま過ごす内に迎えた春分。暦を見るまでもなく、朝晩はまだ冷えるものの日中は俄かに春らしくなってきた今日この頃。冬枯れた野山にも徐々に彩りが芽生え、景色に微かな華やぎを感じる様になった。
春分〜20120320壱
天気は曇り時々晴れ。祝日のこの日、折角なので何処かに繰出そうと目論むも行く先を仲々思いつかず、相方にハンドルを委ねて赴く方へ。ひとまず佐世保市街の国道へ出て、右か左か決めようということになった。

佐世保市郊外の大塔の近く、紅葉が丘という住宅街に手作りの美味しいパン屋があるのを最近発見して、この処幾度か買いに寄っている。今日も無性に食べたくなり、まずはそこへ向かった。
往く途で相方が「そういえば火曜日は定休日では?」と思い出したが、着いてみると「OPEN」の札が。定休日であっても祝日は営業する方針だろうか。
幾つかのパンを物色して店を出ると、何処からともなく猫がトコトコと歩いてきた。先日も同所で見かけた茶虎だ。猫はパン屋の前の切株の様な椅子にひょい、と飛乗ると程なく丸くなり、居眠りを始めた。
春分〜20120320弍
少し前までは、道行き出会う猫達は皆如何にも寒そうに縮こまり、毛を逆立てながら鼻面を慄わせていた。僅かな晴れ間にも日向ぼっこしながら寛ぐのは、それだけ暖かくなったのだろう。近所の猫達はこの数日夜毎に嬌声と雄叫びを上げている。彼等にも春が訪れた様だ。

佐賀や長崎県南へは何かと用事にかこつけて行く機会の多い今日この頃。一方北松方面には暫く足が遠のいている。以前伊万里側から松浦半島を巡った時、田平の付近で「菜の花ロード」だか『菜の花まつり』等と書かれた案内の札が立っていたのを思い出し、一面の菜の花畑を思い描き見てみたくなった。
国道204号を北上し、陽は幾分西に傾いていたが日没まではまだ間のある内に田平まで辿り着いた。だが、逆巡りの所為もあろうが同様の看板は目に留まらなかった。道中随所にこじんまりとではあるが鮮やかな黄色が咲き乱れ、今は満開の筈。しかし一面黄色の絨毯というのは何処にも見当たらない。今年は菜の花畑が育たなかったか、あるにしても国道から随分外れた奥に入って行かなければならないのだろう。
そうこうする内に田平を通り過ぎ、松浦の道の駅が見えてきたので休憩がてら車を停めた。

車道を跨ぎ、住宅地の上を走る松浦鉄道の線路端まで散歩してみた。
野生の菜花の黄色もあるにはあったがささやか過ぎて目立たない。だが線路の脇の草むらに、小さな白い花が幾本も咲いていた。春の七草の一つとして新春の食卓を彩るナズナも、今ではすっかり背丈が伸びている。
春分〜20120320参
松浦の街中で日没を迎え、元来た道を戻るか、それとも先に進むか。ひとまず見かけた食堂で腹拵えをした後、伊万里へ向かった。
明日からは昼の方が長い半年。西涯の街は元より夕陽が長く、今年もまた白夜の様な夏が来るに違いない。


posted by 紫乃薇春 at 23:20 | Comment(0) | 日記
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