2010年04月16日

星見日記/夜桜



今朝未明、外気を吸いにベランダへ出ると蠍座が見えた。入居する集合住宅はほぼ西向きだが、僅かに南に傾いている為南天が一部だが望める。但し通りを挟んだ向いにもマンションが建ち、棲む部屋は下層の階の為視界がかなり狭められているのが残念だ。
春なら春の星座、夏なら夏の星座という具合にその季節の星座とされる星々が見えるのは自然なことだが、夜半過ぎになれば次の季節の星々が顔を出す。尤も西向きの我家では東側の空半分は拝めない為、日付の変る頃になって漸くその季節の星座が見え始める。
南西の星に明るめの星が見えるので初めはスピカかと思ったが、未明といっても明け方に近い頃だ。空は幾分靄っている様で、目が馴染むまで暫く星の並びが捉え切れなかった。暫くぼんやり眺めていると靄が晴れ、北北西の空に北斗七星が、そしてほぼ真正面にアークトゥルスの黄色い輝きが見えた。
改めて南西の空に目を遣ると、スピカだと思った星はアンタレスであり、それを軸にした蠍座の毒々しいS字が顕わになった。季節を先取りする星が見えるといつも胸がときめく。だが蠍座に至ってはそのときめきはギクリと身構えてしまう恐怖心を伴うものだ。余りに見事に(星座の名を教わらなくても)蠍を象る星の並びに尾の毒針まで描かれていること、蠍の血の色は知らないが、脈打つ心臓を想わせるアンタレスの色。だが今朝は靄の所為か火星と対比される程の赤色が滲んでしまい、白っぽく霞んで見えたのが初めスピカと誤認した理由かも知れない。蠍座自体は日本本土から全貌が拝めるが、付近の星座、例えば隣のケンタウルス座等はここからでは上半身しか見られず地平の下に一等星が二つも隠されていること、それはそのままその隣に並ぶ南十字星を代表とする、未だ見ぬ南半球の星々への畏怖を込めた憧れへと連なる。冬のカノープスと同じく、蠍座は私にとってはその夏の扉の様ものなのだ。
長いこと星を眺めていたい夜明け前であったが、今朝はまだこの数日の寒さが残り冷えてきたこと、また向いのマンションの一室の明りが急に灯ったことに謂れのない後ろめたさを覚えてそそくさと部屋に戻った。

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夜桜〜20100416定点
花も殆ど終ってしまった今頃になって夜桜の撮影が増えたのは少々ジレンマを感じるが、今日の写真は未明でなく、宵に撮ったものだ。
夜桜〜20100416全景
全体像の写真において花が一層少なくなったのが確認出来るが、それ以外にこれと云って昨日と変り映えする点は挙げられない。葉が日増しに大きくなりふさふさと繁りつつあるのは確かだが、その様子は昼間の撮影でないと仲々伝わらないだろう。
実が膨らみを増し、色づき始めるのはまだ暫く先の話だ。
夜桜〜20100416接写
今日のマイ桜を撮り、幾らか開けた街路を歩くと西の空に傾き始めたオリオン座が見えた。大犬と子犬を引連れ墜ちて行こうとする様子は、冬が終りを迎えながら最後の足音を示そうとしているかの様であった。
ふと今朝届いたウェザーニューズからのメールを思い出し、高台に上った。今宵は金星と水星、そして月が接近して見えるとのこと。遠くの山の稜線から僅か上に宵の明星と細目の様な月がほぼ同じ高さに並んでいるのを拝めたが、水星は更に西にある為既に沈んだ後だった。

日中は気温が緩み、軽い羽織物があれば凌げる程の暖かさだが、朝晩はしばれるというくらい、今日は気温差のある一日だった。
明日以降は本格的に春の陽気が戻るらしい。だが明日は晴れるものの天候は続かず、この先も不安定な空模様の日が多いとのこと。日照時間不足が農作物等にも深刻な影響を与え始めているという。菜食中心の私にとっても今年の気候は辛辣なものとなるかも知れない。


posted by 紫乃薇春 at 23:25 | Comment(0) | 桜プロジェクト
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