2010年01月04日

帰路

この度の年末年始における京都滞在も今日が最終日。毎度のことながら瞬く間の五泊六日であった。
滞在日数の長い旅行ではしばしばだが、前半の充実振りに比べて後半は籠る時間の方が大方を占める、所謂竜頭蛇尾を今回も貪ってしまった。尤も体調不良が重なり止むを得ない部分もあるだろう。それでも昨日は六道界隈を訪れ、また鍵膳の葛切にもありつくことが出来て満足している。

今日はまったり昼過ぎに宿を出て、JRで山科まで。地下鉄に乗換え醍醐で降りて醍醐寺を訪ねた。
醍醐寺〜20100104
京都の市街地からさほど離れてはいない筈だが、洛南のこの辺りまで来ると街の喧騒も彼方に失せ、静寂が漂っている。だが何よりその広さに圧倒された。外観だけでも察しはついたが、一歩門を潜ると果たして何処までが寺域なのか図りかねる程奥が深い。いや、背後に聳える山全体、少なくとも斜面の手前半分は醍醐寺の域と捉えても大袈裟ではあるまい。
京都には幾度となく訪れているが醍醐寺は初めてだったので、正直甘く見ていた。この寺の隅々まで巡るつもりなら朝から訪ねて一日かけなければならないだろう。西国三十三箇所第十一番霊場である上醍醐の准胝堂まで辿りたかったが、半ばまで進んだ処で断念した。…尤も、その准胝堂は一昨年8月24日の落雷により焼失してしまったと聞く。西国巡礼の御朱印、納経、納札等は現在は下醍醐の女人堂にて行っているとのこと。
(復旧作業に伴い上醍醐への入山も暫く禁止されていたが、昨年の1月7日より登山は解禁になった)

醍醐寺の事故は自然の脅威を思い知らされると同時に甚だしき心痛を否めないが、先日訪ねた六波羅蜜寺と云い、昨年その外観のみ眺めた六角堂或いは革堂と云い、西国霊場には以前から少なからず関心がある。実際に訪ねたことがあるのは奈良の興福寺南円堂、宇治の近くにある三室戸寺、琵琶湖畔の石山寺、有名な清水寺、それにこの度の六波羅蜜寺と醍醐寺くらいのものだが、一番の青岸渡寺から結願の華厳寺まで、いずれは全てを巡ってみたいと思う。尤も巡礼を行うには時間も体力も足りないので、隙を見つけて何箇所かづつ、何年も跨いででなければ実際は厳しいけれども。
霊場巡りは西国に限らず四国八十八箇所を代表例として全国各地にあり、いずれも興味深い。だが取分け西国霊場に惹かれるのは何故だろう。

多分に想いを残しながら醍醐寺を下山し、山科まで戻った。ここにはもう10年、いや20年近くも昔に訪れたチーズケーキの美味しいお店があり久々に食べてみたいと思ったのだが、訪ねてみると階上の喫茶室は現在お休みとのこと。チーズケーキは見映えからは想像のつかないふわふわの食感が身上で、お店で頂いてこその逸品。テイクアウトも近所住いならいざ知らず、これから九州へ戻るのに持ち歩いていたら崩れて悲しい後味ばかりになりそうだ。諦めて崩れ難いバウムクーヘンをひとつだけ買うことにした。

壬生菜蕎麦〜20100104

京都駅に戻り、新幹線の時刻まではまだ間があるので年越し蕎麦を食した八条口の蕎麦屋に寄り再び壬生菜蕎麦を頂いた。水菜にコクを加えた様な風味のこの京菜をすっかり気に入ってしまった。元々アブラナ科の野菜は好みのものが多いが、この壬生菜なども全国的に流通すれば良いのに、と無粋なことを思ってしまう。
だが福岡や今の地元の長崎などで正月料理の時期のみ出回る鰹菜などもそうだが、ごく限られた地域、或いは時期にしか味わえないからこそより重宝してしまうというのはあるだろう。
長野の野沢菜も同様だが、幸か不幸かこちらは全国的に名が知れ渡ってしまった。

新幹線〜20100104

帰りの新幹線車内で、この数日間を思い返しながら車窓を眺めている。風邪の気は鎮まった様だが、帰宅したら疲れと共にどっと溢れ出すかも知れない。
留守の間に年賀状が何通届いたか楽しみだ。今年は身辺の慌ただしさにかこつけ自分自身は手抜かりだらけの年賀状しか作れなかったのが、今頃になって悔やまれる。
posted by 紫乃薇春 at 22:43 | Comment(1) | 旅記(仮)
この記事へのコメント
山科という懐かしい地名に反応しました。
チーズケーキの店はローヌだろうか?
学生自分にちょくちょく通っておりました。

山科には炎の池という、アツアツじゃなくって
グツグツシチューの店もありお勧めです。猫舌なかせの一品です。またの機会にお試しください。

素敵な一年になりますように。
Posted by キョウコ at 2010年01月04日 23:33
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