視界が濁り景色が霞んで見えるので、程なく雨が降り出しそうだ。
定点観測対象の花がいよいよ終りの様だ。まだ数枚の花びらが残ってはいるが、五枚揃った花は遂に一輪も無くなってしまった。アングルを決めかねながら見ている最中に微風が吹き、目の前でまた一枚花びらが散った。十枚に満たない残りの花びらも明日までは保ちそうにない。ぼんやりながら原型を留める花が背後に写っているのが対照的というのか、象徴的ですらある。
終りかけた花を尻目に葉の伸びが著しい。桜の節目を目の当たりにさせられた想いだ。
早めに咲いた花は大分散り新緑が台頭しつつあるが、月初めの風嵐に耐え完全な形を保って残る花はむしろ元気を取戻している様に見える。嵐の直後は縮れたり丸まったりして実際痛々しく思えたのだが、桜の持つ生命力というものだろうか。
実際、まだ上枝の一部は開花しきっておらず見る角度によっては何とも不揃いでアンバランスな今年の桜である。マイ桜だけでなく、神社境内の全て桜において云えることである。他の桜は早いもので八割方、遅いものでも四割近くの花が既に散ってしまっているが、進みの早い桜にもまだ開花していない蕾が僅かだが残る。
開花後の急激な気温の上下とやはり関わりがあるのだろうか。
花祭まではあと二日。