2009年07月31日

「山さ山」→「山さ山一」

山さ山〜20090731壱

7月も今日で終り。埒の開かない不安を抱えたまま、夏も半分が過ぎようとしている。
現実を見ればこんな場合ではないと思いながら、欲望には勝てず今夜もまた悦楽の扉を開けた。

【山さ山】
 山本精一(G、Vo)
 さがゆき(Vo)
 山本達久(Ds)

ゲスト:
 一楽まどか

今夜は三部構成。ゲストに一楽まどかが加わったことも関係しているだろうか。今宵の一楽はその場で参加を決めた昨夜の喜多直毅とは違い(急遽ではあるが)開演前に参加が決まっていたらしい。今朝のさがゆきの日記にその件について既に書かれていた。
一部は【山さ山】こと山本精一×さがゆき×山本達久のトリオ。三人の名前の最初の一字を取ってつけただけの単純な命名だが、その一見のどかそうな字面に惑わされてはいけない。顔ぶれを見るだけでも「ヤバい」雰囲気が漂っている。類い稀なインプロヴィゼーション・ユニットとして成立しお互いに不可欠な存在となったシナプスとは違いあくまでセッションとしての即興演奏であり、同列に語ってはいけない。また、マイクに向かってすぐに最大限のテンションで向かえるさがゆきや常に一定以上のコンディションを保つ山本達久と違い、山本精一の場合は立上がりあまり気分が乗っていないことがしばしばである。コンディションが良ければ途中から乗りまくり誰にも止められなくなることすらあるが、状態が悪ければ乗らないまま最後まで行ってしまうこともある。業界でも好不調の波の取分け大きなプレイヤーとして密かに知られている。
そういう意味では今日は必ずしも絶好調とは云い難い、少なくとも出だし好調ではないと感じたが、落ちまくって音楽を台無しにする訳でもなかった。
二部はゲストの一楽まどかが加わっての演奏。「どらびでお」のメンバーでもあり一楽儀光の娘さんだそうだ。こちらは僅か10数分と短いセッションだが一部より展開もこなれて自然で、凝縮された時間だった。
そして第三部。さがゆきの席の前には譜面台が置かれた。山本精一とやると決まって予めさがゆき自身が用意していたのか、それとも途中から客席に現れた渋谷毅が持ってきたのか。一楽まどかは下がり、山さ山の三人で中村八大の曲を演奏した。但し内容は極めて即興的である。嘗て大友良英がプロデュースしたCD『see you in a dream』を知っている人、持っている人には実に感慨深い瞬間だが、この日訪れた客の果たしてどれくらいがわかっただろうか。けれども再び一楽まどかを混じえてのアンコール、さがゆきが『see you in a dream』について話し、その中で「山本精一と一緒に歌った曲をやります」と云い、「夢であいましょう」が聴けるのかと身を乗出した処歌い出したのは「上を向いて歩こう」。私が思わず仰反ったその時場内からは拍手と笑い声が零れたが、その人達は「see you in a dream」を知っていたに違いない。

一部より二部、二部より三部と山本精一の調子が上がってきたこともあり、最後は非常に面白い空気に満ちて終った。相変らず捉え処のない人ではあるけれども、余りにも真面目過ぎる性格の裏返しなのだろう。山本精一の波を向方へ引寄せた強腕のさがゆき、一癖も二癖もある二人のベテランに圧されず自らの持ち味を発揮し支えた山本達久、そしてゲストでの参加だが音楽を豊かに膨らませた一楽まどか。三人の時は三人で、四人の時は四人居てこそのユニークなライブであった。

山さ山〜20090731弐
posted by 紫乃薇春 at 23:18 | Comment(0) | 音楽

七月末日

七月末日〜20090731

暑さで歪んだブロック塀(嘘)
だが実の処、今日は昨日程灼ける暑さではない。

今年の七月も終る。
posted by 紫乃薇春 at 16:32 | Comment(0) | 日記

2009年07月30日

シナプスで贅沢な夏の夜

夏の陽射しが復活し、真夏日から酷暑へと届きそうな一日だった。日暮れと共に気温は幾分下がったが、日中の暑さで体調を崩した人も少なからずいるのではないか。

相変らず職場に不安を残しながら地下鉄に乗り入谷へ。今夜はなってるハウスでシナプスのライブを聴く。

シナプス〜20090730弐

SYNAPSE
 加藤崇之(G)
 さがゆき(Vo)

ゲスト:
 喜多直毅(Vl)

喜多直毅の参加は当初の予定ではなく、謂ばサプライズ・ゲストである。やや遅めに入店したさがゆきが加藤崇之に「今日、喜多直毅から『聴きに来る』とメールがあったよ」と伝えたのが始まりだった。
1部は本来のシナプスとして、加藤とさがのデュオ。ギターを背負い椅子に腰掛けてやおら取出した携帯用のローターの様なもの(後で確認した処、乾電池で動く小さなマッサージ器と判明)をギターの弦やボディ等に押当てて不可思議な振動音を出す加藤。シナプスの飛び道具は散々見慣れている筈なのに、不覚にも笑ってしまった。だが一歩間違えたらただの悪戯でしかない様な仕業も身のある音楽に高めてゆく処がさすがだ。さがゆきは高速ヴォイスを出だしから駆使し、加藤の音と相乗してシナプスの空間を生出してゆく。
しかし今夜はどうも音が変だ。ことある毎にハウリングが生じ、それが演奏にもいささか食込んでしまった感がある。初めはわざと出しているのかと思ったが、加藤の表情に違和感が見られた。モニターと機材の位置、或いは向きによってフィードバックを孕んでしまうらしい。
二人ともプロ中のプロなので、こうしたアクシデントにも屈せず次々とユニークな演奏を展開している様であるが、或る場面から別の場面への繋がりに「変えよう」とする意識が今夜は時折覗いた様で不自然さがあった。さがゆきのエフェクトがいつもに増して大音量だったのも、理不尽な音響への苛立ちが生んだのだろうか。
休憩中に機材の調整を行い、急遽参加のバイオリン・喜多直毅のセッティングを済ませて臨んだ後半。だが演奏前にまた大きなノイズが生じた。今度の原因はバイオリンの様で、喜多直毅がステージ上の位置を移動することでそれは解消した。
シナプスにゲストというと以前ギターの石渡明廣が参加したのが思い浮かぶが、石渡の時はシナプスというより三者のセッションというニュアンスになってしまったのに対し、今夜の喜多直毅はよりシナプスを理解して加わっていた様に思う。どちらが良い訳でなく、持ち味の違いというものがあるのだろう。また、石渡の場合は初めから参加を予定して冒頭から加わったのに対し、喜多は前半客として聴いていた為にシナプスがどういうものか、を知る手掛かりもあっただろう。或る意味ゲストとして最も理想的な参加の仕方が出来たのかも知れない。
とはいえ、エフェクトに飛び道具だらけの二人に(機材に繋いでいるとはいえ)生バイオリン一本で挑み、しかも音楽を膨らませるのにまんまと成功した喜多直毅はやはりただ者ではない。ゲストだからと遠慮の影は微塵もなく、時として喜多直毅の切込みが流れを変える場面も幾度か見られた。随所に納得の表情を見せた加藤の様子が今宵後半の面白さを物語っていたし、演奏の後のさがゆきも実に楽しそうな笑みを浮かべていた。
シナプス〜20090730参
終演後に面白い出来事があった。さがゆきは喜多直毅から練習用バイオリンを譲り受け、弾いているのだという。今夜喜多が来たのを良いことに質問をぶつけつつ、喜多の本番用(お高い)バイオリンを借りた。そして即興演奏。更に練習で「弾ける様になった」という「埴生の宿」を披露。残った客と苦笑いの喜多直毅が見守る中加藤崇之がピアノを弾き始め、シナプスの「楽器持替えバージョン」という滅多にお目にかかれないものを見て、いや聴いてしまった。更にさがゆきのピアノ弾き語りまで拝めて、結果として贅沢な今宵のなってるハウスであった。
posted by 紫乃薇春 at 23:46 | Comment(0) | 音楽

夏の夕陽

夕景〜20090730

夏の太陽が戻ってきた
日向にいれば一分も経たずに肌が灼ける
熱を浴びて倒れた人も多いだろう
陽の傾く頃になって雲の姿は白々し過ぎる
腹黒さを見せてくれた方が清々しい
posted by 紫乃薇春 at 17:53 | Comment(0) | moblog≪夕景≫

2009年07月29日

夜景〜7/29

夜景〜20090729

昨晩遅くのとある街路にて。
ここ数日の霧の発生率の高さは如何に。
posted by 紫乃薇春 at 21:08 | Comment(0) | moblog≪夜景≫

2009年07月28日

滴〜20090728

途方を見やる昼下がり。
posted by 紫乃薇春 at 15:56 | Comment(0) | 写真館

2009年07月27日

「眼の夢」

眼の夢〜20090727
早めに新宿に辿り着くべく夕方職場を出ると、あれ程激しく降り注いだ雨は既に止んでいる。雷も止んでいる。列車を降り改札を出て西の空を窺うと、奇妙な清々しさを漂わせながら晴れ間が覗いていた。
駅の近くで腹拵えを済ませてからPIT INNに行くと、溢れる程ではないが人だかりが出来ていた。伝説的な「see you in a dream」の人出には及ばないものの、最終的には満席となり、客席後方には立ち見の人垣が築かれた。

【眼の夢】
 高橋悠治(P)
 さがゆき(Vo)
 山本達久(Ds、metal)

演奏プログラム
[1部]
01 高橋悠治:曲/岡真史:詩「ぼくは12歳」(高橋、さが)
 No.1 道でばったり
 No.5 へや/ちっこい家
 No.8 リンゴ
02 パーカッション・ソロ(山本)
03 Improvisation(高橋、さが、山本)
[休憩]
[2部]
01 ピアノ・ソロ(高橋)
02 パーカッションと声のduo(さが、山本)
03 高橋悠治:曲/詩「眼の夢」初演(高橋、さが、山本)
04 Improvisation(高橋、さが、山本)

当夜の公演には予めプログラムが設けられ、それに沿った進行で演奏が行われた。それはまるで、彼方で産声を上げた波が徐々に手前に打寄せてくる様な、そして最も岸辺に到達した時その本当の姿を現す魔法の様な途切れのない脈動。
高橋悠治とさがゆきによる最初の3曲は岡真史が詩、高橋悠治が曲を書いた歌曲。続いて山本達久のソロによる即興、そして3人での即興演奏が行われたが、歌と即興が並ぶことに違和感はない。
後半、高橋悠治のピアノソロで始まり即興演奏の様だがピアノの前には譜面が置かれている。更にさがゆきと山本達久による即興の後、この日のメインである「眼の夢」の初演が行われた。絶え間なく静かなざわめき。氷漬けの炎。これは全て譜面に描かれた音符なのだろうか。
そして寄せた波が退く様に、3人の即興演奏で幕を閉じる。アンコールも行われたが、僅か1分程度の真剣勝負。長くだらだらやれば良いものではなく、一瞬の音に深遠が潜んでいることを教えてくれる演奏。

静謐な中に風が吹き、波が立ち、張り詰めた水面を破る滴が落ちる緊張感。歌曲演奏の時の高橋悠治は、伴奏ではなく自立したピアノ曲として、それでいて歌の妨げをしない刃の上に立つ無二のバランス。旋律、ではなくただただ冴え冴えとした音、音色。それが結晶となって至る処に音型と和音を形作ってゆく。
この度「眼の夢」をさがゆきの為に書下ろしたのは、さがゆきが所謂「シンガー(歌い手)」としてだけでなく声を「楽器」として操る能力の持ち主だからこそであろう。それも比類のないレベルを以て。その意味で「眼の夢」はさがゆき以外の歌手には歌えない作品に違いない。だが高橋悠治と比べたらさがゆき、そして山本達久の音にはまだ「旋律」を感じる。
情けないが、これ以上言葉として表現出来ない。「眼の夢」の詩にも描かれた高橋悠治の言葉があれば充分だろう―

「池の水面に逆さまに映る樹々の影 水が揺れると影は散らばり砕ける 影は水面を染めている 影が水を動かすことはない 
 眼を上げる 池の畔に立つ樹々は 眼に映る光の模様 眼が動けば光は移る 樹々の影は水の夢 樹々はこの眼を通して何者かが観ている夢
 この眼も 夢の眼が観ている眼の夢」

―二〇〇九年七月 さがゆきに
高橋悠治

************************

PIT INNを出て、新たに出来たらしい水溜りの浮かぶ道を四谷まで歩いた。
新宿御苑前の駅近くで、警官に呼び止められ、職務質問を受けた:「危険なものを持っていないか、声をかけて荷物を調べさせて頂いています」と云うが、誰も彼もを呼び止めている訳ではない様であり、そんなに不審ななりをして見えたのだろうか。
雨上がり〜20090727
posted by 紫乃薇春 at 23:56 | Comment(0) | 音楽

雷雨

雨〜20090727

昨日の晴天から一転、夜半の霧は雨雲に姿を変えて今日は激しい雷雨になった。数日前、九州北部各地で観測史上最大と云われる豪雨があり、崖崩れ等も発生したとのこと。相方の自宅付近の山でも土砂崩れが起き、被害を受けて現在は避難生活を送っていると連絡があった。今後の状況と連絡次第によっては駆けつけたいと思うが、今はまず様子を見ている段階だ。
ウェザーニューズから号外が届き、栃木県の大田原市や上都賀郡、群馬県の館林市などでは竜巻が発生。また館林駅での停電トラブルにより東武鉄道の一部が運転見合わせになるなど既にかなりの影響が出ている模様。館林や近隣の伊勢崎には友人もいるので安否を気遣った。今はまだ直接の被害はないと云うが、今後が心配だ。
私の住む神奈川県では竜巻の報せは聞かないが、玄関の扉を開けた途端「ドーン」と地響きのする雷が聞こえて身を慄わせた。九州を襲った雨風が次第に近づいている様な、不穏な気配を感じる。

昨夜のKOKOPELLIに続き、今夜は高橋悠治「眼の夢」の初演(高橋悠治×さがゆき×山本達久)を聴く予定。
今の処都心部付近の交通網に大きな乱れは伝わっていないが、今後の天候如何では遅れや運転を見合わせる区間も発生するかも知れない。出来る限り早めに現地へ移動することにしよう。
終演後、無事地元まで戻れるかも心配だ。
posted by 紫乃薇春 at 17:56 | Comment(0) | moblog≪空模様≫

2009年07月26日

真夏の夜のココペリ

KOKOPELLI〜20090726

寝坊した訳ではないがどうしたものか出遅れ、予定の17時に10分程遅刻して友人との待合せ場所西荻窪に着いた。
サンジャックは初めて入るお店なのでひとまず場所を確認した後、駅前の飲食店でお茶をした。
少し早めだがサンジャックの前まで移動すると店内から時折ピアノと歌声が聴こえてくる。まだリハーサル中の様だ。結局開店時刻の18時半を少し回ってから入店した。

KOKOPELLI
 さがゆき(Vo)
 林正樹(P)

お店の防音がやや甘めの為か出音は控え目。だがその分弱音をしっかり支えるさがゆきと林正樹の確かな技量をより知ることが出来た。オープニングはCD冒頭を飾る「Spirit of the Forest」。だが大分演奏に自由度を増している。出だしの即興演奏から曲に入る処が実にスムーズだったが、曲に移ってからも絶え間なく即興が込められている。そしてそれはこの日全てに通じていた。
「暑いのでブラジルの曲を」と云って前半に2曲、後半にも2曲。長期に亘るブラジル旅行から戻ってさがゆきのレパートリーにはブラジルの曲が俄然増え、ライブで演奏される機会も多くなっているが、それは遂にKOKOPELLIにまで及んだ。 だが林正樹はブラジル音楽を好むらしく、もっと早く取入れられても全然違和感がない程KOKOPELLIの世界に溶込んでいた。
CDからは「モノニクス」。KOKOPELLIの縦横無尽な即興曲が一段と奔放に、しかし繊細に慄える。「プレイケシュトーレン」で前半を締め括ったが、この雄大な歌曲も自由にアレンジを変えていた。

後半、林正樹の「50音シリーズ」から「ナンバー『せ』」として情緒ある曲を奏でたが、これは最近のライブで行われている「シリーズ」なのだろうか。だとすれば随分聴き逃したものが多いに違いない。事情で止むを得ないとは云え勿体無いことをしてきたものだ。
ユニットのテーマ曲でもあり自由表現の真骨頂ともいうべき「KOKOPELLI」。益々原型から脱皮しつつあるが、今夜は一瞬「モノニクス」が顔を覗かせる処まで行った。そしてそれは一部と二部が遭遇し有機的に結びついた瞬間でもあった。
だが出逢いは一瞬のもの。本編ラストの「五月の風の中で」の詞の様に、空の上ですれ違う二羽の鳥の様に、お互いを意識しつつ瞬く間に別れ去ってゆく。
アンコールも含めておよそ1時間40分程。もっと短く前後半とも30分くらいの印象を受けたが、それだけ中身が濃くスピード感が豊かだったのだろう。

同行した友人にも楽しんで頂けたら幸いだ。
明日は新宿のPIT INNで高橋悠治の新曲初演という聴き逃せないライブがあるが、混み過ぎて入れない等という事態を惧れている。
posted by 紫乃薇春 at 23:45 | Comment(0) | 音楽

真夏日の午後

真夏日〜20090726

週後半の戻り梅雨の様な湿っぽい天気は昨日まで。今日はぎらついた真夏の陽射しが朝から睨みつけ、風は爽やかだが気温著しく上昇して今年最も夏らしい日になった。
尤もこの天気は今日一杯で、明日は曇りまた雨が降るらしい。この変り易さも夏らしさだろうか。「夕立」と聞いて思い浮かぶのはやはり夏だ。

今夜は西荻窪でKOKOPELLIのライブを聴く。4月8日の私の誕生日以来だが、その時は仕事帰りでほぼ終演間際にやっと辿り着いた。始まりから聴けるのは何年振りかという久し振りなので誠に楽しみだ。
また、初対面の友人との待合せもあり、そちらも楽しみだ。
posted by 紫乃薇春 at 16:44 | Comment(0) | 日記

2009年07月25日

朝帰り

朝帰り〜20090725壱
今朝は久々の朝帰り。この数年内仕事で翌朝の帰宅ということは数回あったが、プライヴェートでの朝帰りはもう随分になる。およそ10年振りくらいではなかろうか。

昨夜は大学時代のサークル仲間と飲み会だった。同期だった沖縄出身のTから数日前にメールが入り、この月末から半年余り実家に戻るという。暫くは会いたくても会えなくなるので、当時の顔ぶれを揃えて飲みたいという内容だった。当時の顔ぶれとはTを中心にひとつ下の二人、みっつ下の一人、あともう一人部外者だが親しく出入りしていた後輩も来る予定だったが家庭の事情で叶わず、結局5人で飲むことになった。
待合せは昨夜7時に西武池袋線の椎名町駅前で。だが当日の朝確認のメールを送ると30分遅くなったとのこと。しかしT自身は体が空いているらしく、私が早く来られるなら先に会ってお茶でもしようという。後輩達が来ればどのみち落着いた話は出来なくなるのが目に見えているから、僅かな時間を同級生同士で話したい気持は私にもあったし、彼の気持を汲むことにした。

時折激しい雨が降ったり止んだりの生憎の空模様。だが雨天決行というので職場を出て、幾分早めだが現地に向かった。
予定より15分程前に椎名町に着き、携帯を弄りながら待っているとTからメールが入り、「1分程遅れる」とのこと。1分なら遅刻とは呼べないが、学生時代から彼との待合せで待たされるのは慣れっこだ。それに私も酷い遅刻をして彼の胃を痛くさせたことが皆無ではないので「了解」とだけ返信を送った。
程なく池袋行きの列車が着いて、人込みの背後からTが現れた。1分遅刻というのは列車の時刻を云ったらしい。
最近飲んで酔っ払い、足を折ったと聞いていたので心配したが、特に足を引きずる様子もない。一頃は入院生活を余儀なくされたそうだが、大分快方に向かっているのだろう。だがまだ余り早足で歩くのは辛いらしく、小雨の降る椎名町をのんびり歩いた。

お茶でも、というので何処か良い喫茶店でもあるのかと訊ねた処、場所を変えるのが面倒だから予定の呑み屋に先に上がって一杯やろうという。そんな横着な処が昔から変っていないな、と思いほくそ笑んだが、以前なら取りあえず一口ビールくらい、と無造作に酒を勧めたものを流石に私の下戸振りを理解したらしく、昨夜は烏龍茶なら飲めるだろ、と気遣いをしてくれた。
辿り着いた居酒屋はこれがまたTが好みそうな場末の香りが濃厚で、彼が西日暮里に棲んでいた頃に連れて行ってもらったカラオケ居酒屋にも通じる、と話すとあちらの店はもう潰れたという。そういえばそれも10年近く前。10年はひと昔というけれど、実際様変りしてゆくものが殆どだ。景色も、人も。
西日暮里の店は平屋だったが、昨夜の店は3階まであってその一番上の階に通された。普段は滅多に使わない座敷部屋だそうだが昨夜は店内が混んでいて、Tが予約など入れるのを好まない性格なので通常の席は空いていなかった所為だ。しかし無理を云っても聞いてもらえる辺り、店のおばさんとのやり取りを見ていてTがこの店の馴染みなのだなとわかる。
階段で上まで上がると、通された部屋にはカラオケの機械が。コインを入れれば使えるらしい。この日の顔ぶれは皆歌い好きなので、何のかのと云いながら歌い狂うに違いない。そんな話からお互いの近況などを話すうち7時半になり、Tが後輩達を迎えに出て行った。
朝帰り〜20090725弐
10分程して階下からがやがやと喋り声が聞こえ、Tに先導されて後輩達が上がってきた。姿が見えるまでお喋りは続いていたが、彼等は私を見るなりどよめきの声を上げた。Tは昨夜私を呼んだことを誰にも知らせていなかったらしい。とはいえ現役の頃なら私がいることに何の不思議はなかった筈だが、皆が卒業して数年以降殆ど顔を合わせる機会がなかっただけに驚きはあったのだろう。内緒だったと聞いて、もし歓迎されていなかったら気まずい処だが、すぐに当時の様に打解けて会話が弾んだのが幸いだった。しかし誰も彼も「良い年」の社会人である。完全に学生時分の感覚が蘇るまでには暫くの時間を要した、と後輩の一人が語った。
皆変っていない様でやはり年を取ったか。幾らか太った者、髪を短くしたが殆ど記憶と違わぬ者、ただ一人はすっかり髪が白くなり後退して、どちらが年上かわからない者もいた。
皆酒が進むに連れて饒舌になり、初めは皆落着いたな、と思ったのも束の間で貸切の部屋はいつの間にか大学の部室そのままに雑然としていた。酔いが回り、当時の様に過激な発言を脈絡もなく繰出す者、面白がって絡む者、笑いながらも迷惑そうに腕を組み眺める者。私はこういう時、当時の記憶を引張り出して燃料を与える役だ。良いか悪いか知らないが、不思議と昔のことを、皆がすっかり忘れてしまっている様な細かいことまで覚えている。
2、3時間も話が盛上がった処でTがカラオケの機械にコインを入れ、そこから先は歌声の館と化した。学生の頃は部室に置いてあったギターをかき鳴らしながら歌うのが常だったが、それがカラオケに形を変えただけのこと。当時よく聴き唄ったレパートリーを中心に、この歳になって新たに覚えた曲を披露―というより見せびらかす顔ぶれ。私もそうだ。
そうこうするうちに時間が経ち、Tが列車の時間を心配してくれたが、宴の興も正に盛り。この面々と集うことはもう当分ないと思うととても勿体無くて中座など出来なかった。

結局日付が変るまで宴会は続き、漸く店を出ると雨は止んだ様子。椎名町の駅までそぞろ歩き、他の皆は都内の住いで散り散りに帰って行ったが、私のみ郊外(神奈川)の為終電がなく、品川まで移動した。
その間にまた降出した雨は今度は強くなったので、初電が動くまでカラオケ屋の空室を見つけて入り朝まで一人で二次会をした。
その後地元に戻った頃には雨は止み、朝日が上り青空が覗いていた。帰宅すると流石に疲労困憊。長い時間ぐったりして、こんな夜になり昨夜のことを思い出しながら日記を捏上げている始末。

今夜は友人・momocoさんのライブが関内であるというので聴きたいが、既に始まって半分くらいが過ぎた頃か。今から行っては失礼だろうか。終演は23時30分とのことなのでまだ2時間は聴けるけれども。
横浜なので遅いが今夜は帰宅出来るだろう。
朝帰り〜20090725参
posted by 紫乃薇春 at 21:43 | Comment(0) | 日記

2009年07月24日

水の風景

水の風景〜20090724

今日はこの後
懐かしい顔ぶれと会う予定である。
posted by 紫乃薇春 at 17:35 | Comment(0) | 写真館

2009年07月23日

水の風景

水の風景〜20090723

戻り梅雨の午後。
posted by 紫乃薇春 at 16:37 | Comment(0) | 写真館

2009年07月22日

水の中の夜

水の中の夜〜20090722

内も外も夜。
posted by 紫乃薇春 at 03:06 | Comment(0) | moblog≪夜景≫

2009年07月21日

夜景〜7/21

夜景〜20090721

微かな雨に震える街並。
posted by 紫乃薇春 at 20:19 | Comment(0) | moblog≪夜景≫

2009年07月20日

街灯

夜景〜20090720

切取った星座の一部の様な灯りの群れ。
posted by 紫乃薇春 at 23:19 | Comment(0) | moblog≪夜景≫

2009年07月19日

公園

公園〜20090719

情けない週末が聞こえてきそうだ。
posted by 紫乃薇春 at 22:34 | Comment(0) | moblog≪夜景≫

2009年07月18日

花〜20090718

落ちても褪せぬ色。
posted by 紫乃薇春 at 01:17 | Comment(0) | moblog≪夜景≫

2009年07月17日

夜〜20090717

見過ごされた時間。
posted by 紫乃薇春 at 01:29 | Comment(0) | moblog≪夜景≫

2009年07月16日

夜〜7/16

夜〜20090716

梅雨明けて潜む夏の物音。
posted by 紫乃薇春 at 01:32 | Comment(0) | moblog≪夜景≫

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